and pat me on the headを頭を撫でると訳していいか?

pat me on the headの主語はずっと前にあるheです。He pat me on the head.を工藤政司と岩波は「頭を撫でる」とか「頭を撫でて貰った」と訳しています。まず考えるのは、meは①何故訳さない?訳せないでしょ、その意味にしちゃうと。②patの本来の意味は「叩く」、これなら私でも知っている、ところが「撫でる」という意味もある。

pat meだけで考えると「僕を叩く」、バシッと叩くのではなく乳母車に乗った子供を軽く叩く、手では叩かない、手なら撫でている。その頭で赤ちゃんのおでこを軽く叩いたのではないだろうか?「その頭で僕を軽く叩いた」、前の方にHe used toがあるからpatは原型、「頭で僕を軽く叩いたものだ」と訳した。

外国文学の翻訳家の仕事の仕方がどういうものなのか、どのような仕組みになっているのか、自分で調べるといい。ただ訳せばいいだけではなく、小説として成立しなければならない。一人で何百頁も訳していたら何年もかかる。

原書の頁数と訳した小説の頁数を調べる、一人で一年に400頁近くの本を訳す事はできない。しかし彼らは一人で一年に長編小説は書く、翻訳も何冊かこなし、TVやラジオに出演し、You Tubeの収録までこなしている。彼らが訳したものは同じところが間違っていて、同じところを省略したり、付け足したりしている。

翻訳者を一人の名前にしてあるだけ、実際は顔はあっても、彼自身ではない。間違ったものを延々と一方で売り、他方で買い求めているのだ。しかしそれが出版界というもので、純粋さに著しく欠けた世界なのである。