さよならが

貴方はお前の義務は書くことだと言いたいくせに、それもただで。またただ、がっかり。でもいい、書いてもいいのね、貴方はそう言っているのね、と秘かに念を押した。私は貴方のきれいな手をじいっと見詰めながら、「書くぞっ」と決めたの。男の手は奇麗な方がいいわ。書いて私が手を離したものは、私に著作権が70年あろうがなかろうがもう私のものでも誰のものでもない、と同時に全ての人のものである。書いて作品を発表する、その作品がその後どうなろうといいんだ。私は私のこの欲求不満の能力で書くということ、それを誰かが読むということの充実感を味わいながら、じわじわ伝えよう。私は私を追い詰める人が貴方でも他の誰でもかまわないのよ。諦めるといいわ。

諦め切ったら貴方のその胸に手を当てるのね、「走れメロス」は、あれは翻訳をしたんでしょ、貴方が書いたんじゃないわ。私が翻訳を始めて一度も原稿を買いたいと言って来た人も出版社もないが、高名な翻訳者達は揃いも揃ってその手法を変え、あっという間に出版される年間の翻訳小説が減った。出るのは、関係の大学、その大学出身翻訳者、教師、外交官、観光業従事者らを集めて、先ずイギリス人名の作家とその経歴を捏造し、英文で小説を書き、訳せない時は英文を変えるといった方法で新刊翻訳という形で出版している。これにはイギリス王室や宗教関係者が関わっている。経歴は勝手には作られない、イギリスの一流大学出身に何時だってしてしまう。ということは日本の皇室がイギリスの王室と連携してつまらないことをして来たということになる。彼らは私の家の周りに大量の家を建ててしまった。ここにイギリスの隠れ大使館まで建てるらしい。4