さよならが

それは箪笥や桐の大きな箱の中で静かに延々と眠っていた父が着て帰った一着の軍服が語ってくれた。日本に着いて何度も検閲があった、田舎の駅に降りた後、かなり遠い場所にある町役場にいったん出向いてから家に帰った。従軍慰安婦に関する書物、その他に日記をつけていたとか、コンドーム云々などの話は嘘だ。もし検閲でそういう戦地で特別に使用した物を取り上げられなかったとしたら、それはマッカーサー米軍と通じ合っていたからだ。日記は戦地での戦いの記録になってしまう。そんなものは特別な場合を除いて先ず書かせない。書いたという人は、兵士らには内密に従軍した新聞や映画関係者だ。

その書籍は、私がいろいろ目を通したものの中の一冊で、山口県の人が書いたものだった。山口県は右翼の拠点であり、彼が言うように名前を変え、あれこれ変えて生きられる場所ではない。昔から朝鮮人の多い地で、直ぐに見つかってしまう。本なんか絶対出版させない。

他の慰安婦関連の書物は、徒に欲望を掻き立てるものが多く、読む気もしなかった。しかし山口県出身の吉田清治さんの書いたものだけは違っていたが、やはり従軍慰安婦を日本軍と厚生省が派遣し、慰安婦は朝鮮人女性に強要したものだったということを書きたかったという感想を、やはり他の慰安婦関連書物と同じように読者は持つ。9


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