さよならが

お昼に食事の支度をしていた。隣の部屋から姉の声が聞こえる。それもTVから。医学の番組で女の医者が話しているようだ。姉以外の声ではなく、姉の声そのものだ。姉は歌も上手だったが、声も美しい。また違う日、私は母の部屋でTVをつけたまま土曜日の夕方眠ってしまった。姉の声がするので、起きて真剣にNHKのTV番組を見た。クローズアップ現代に出演している桑子真帆が姉の声で他の番組のナレーターをしていたのである。NHKはそのVideoをAmazonで2万数千円で販売している。NHKは受信料の他にアルバイトをし、そのお金は私達姉妹が生み出しているのに、懐に仕舞う。

姉は声をNHKにそのまま使われていることを知らない。姉の歯並びは美しく、虫歯も見えるところにはなかった。ところがアベノミクスが始まり、しばらく経つと、姉の前歯が不釣り合いなほど大きな差し歯になっていた。これは、歯に電気を流し、声を盗み取るために行われていることである。歯科医は犯罪の中枢に何時も座る。

歯が美しいと長い間言われて来た私の歯にも口の中にもマイクと受信装置が入っている。おかしいと思ったその日、日清製粉子会社の矢野という創価学会員から電話があった。私も彼女も同じ所でパートをしていた。パートと言っても、本職と同じ時間働かせている。矢野は盗聴器と傍受機器は市警にあるからと言う。私は何のことか全く分からない。矢野の家も探したし電話もしたが、それ以来矢野がどこにいるのか全く分からなくなった。市警と創価学会会館は隣同士である。もう30年も前からそうなのだと警官は言った。23