文部科学省脳科学研究戦略推進プログラム

脳科学の研究推進と国が文部科学省HPから国民に声を掛けるとき、脳科学の行く末とその過程の戦略は決まっている。私と私の脳がその研究のサンプルで、その性急さや過酷さに「もう止めて下さい」と泣いて縋っても10年は止めない。夫は「吉本隆明がそう言った」と本当の意味を知ってか知らずか、何のことかさっぱり分からない夫や子供が夢見ると形容する私に言い、それから10年後、研究対象の私はなおその後の10年を死んだように生きながらざるを得ず、夫は死んだ、59歳だった。

脳だけがヒトではない、脳の機能は、例えば記憶だとか判断だとか言うが、記憶はヒトだけのものではなく、判断もヒトの下すものは身勝手で自滅の道をひた走るばかり。山に登り、海で遊び、空の果てまでヒトを送る。鳥も虫も動物も魚や貝も居場所を失くした。彼らがヒトの前に、街の中に恐る恐る姿を現すと、ヒトは「畑が荒らされた」と言う。彼等の棲み処を荒らしたのは、畑を荒らされた貴方ではない、しかし貴方なのだ、私でもある。なんと馬鹿な私達人間だろう。