映画化は文学作品を壊滅的にする。訳していると見えてくるものがいっぱいある。映画化されてしまうと映画の中のセリフが挿入されたことが分かる、作家自身が映画化に協力しているにしても、小説がつまらなくなる。このセリフを入れた方が現実に即した話になり、共感を得やすいと彼らは考える、それは小説家そのものは儲からないが映画がヒットすれば儲かるからだろうが、ヒットしない場合が多い、借金が書く者の隣を占める、その状況は土地を耕す者に似ている。時代に沿うこと、人に寄り添うことそれは誰しも考えることではある。年を取って年金暮らしの私はそういう考えから遠い思いを抱く。世界的作家が何者何事も避けて通れるはずがないが、何もかも避けて通ってほしかった。スタインベックが書いたこと、それはアメリカの選択の道順、その今なら間違っていると言われそうな選択の内容、私が知りたいことであり、世界中の人々が知りたいことだ。アメリカにはそのことを分かってほしい、もちろんほかの国の作家もその作品も明らかにしたくない個人と国家の過去の罪を背負ったままでいてほしい。後に生きる世間と隔絶したような私は何でも言える、だから敢えて言って聞いて貰おうと思っている、私のような者も何も言えなくなりそうなそんな世の中になって行く気がするから。
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